そして三浦綾子のこの小説が思い出された。
北海道上富良野の災害に取材して書かれたそうだ。
十勝岳が噴火し、泥流(火砕流+雪崩?)が集落を襲った。家族も家も流され、田畑は硫黄の臭いを発する岩石・泥・流木に覆われた荒野となった。その荒野に、実りをもう一度取り戻そうとする兄弟。
ごつごつと大きく力強い岩盤のようなものが、この作品の底にあるのを感じる。登場人物たちはその大地に生きている。
3月11日からこの半年、突きつけられ続けている問い。
何かをしなくては。でも何をどうすればいいのか?
途方に暮れることが多かった。
だが、人の身体は前進しやすいように出来ているのだ。じっとしていなければ、動きさえすれば、前へ進みだす。
この作品の主人公兄弟のように。一歩を踏み出していこう。また次の一歩。