ほっとする。
ただ本棚にあるというだけで、ほっとする本。クリフォード・D・シマック。
アメリカの農夫たち。大地とともに生きる農夫たち。
風と、日照りと、雲と、雨と、おんぼろ自動車とポンコツ農機と、犬や馬やスカンクや、とうもろこしやチーズ。
そんな彼らが、全人類を代表する。銀河系宇宙に対して。
宇宙からやってくるあまたの客人が地球で降り立つ駅は、農夫の粗末な家。
「こんにちは」「はじめまして」を言う相手は、全人類を代表するアメリカの農夫。
折れない心をもっている。大きな愛情をもっている、土地や作物や隣人や…自分のまわりのすべてに。
1950~60年代SFの明るさ逞しさが、すこし懐かしく、切なく、まぶしく見える。
「人間を信じている」と読める。
良心を、かな。根っこのところでの道義心、かな。
人間は未来をより良いものにしていくはず、と。人類はより良く成長するはず、と。
シマック、ごめん。今どうだろう。わたしたちは。
根っこのところでの道義心は、今どうだろう・・・