知人に、さまざまなボランティア活動に関わっている人がいる。穏やかで優しいおばあちゃん、という雰囲気の人だ。Aさん、としておく。
そのAさんから聞いた話。
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地域で子ども達を見守っているグループがある。Aさんはそのグループにも少し関わっている。
ある時、そのグループから一日限りの子守りを頼まれた。
親に所用があって、その日は子どもの面倒をみることができず、他に子守りの可能な人がいないので、「その日だけ、どうかお願いします」とのことだった。
6歳、4歳、2歳、の三人兄弟だった。
Aさんは子ども達とおしゃべりしたり、遊んだりした。うちとけてきた。
6歳の子が言った。
「お母さんがぼくを殴るの」
Aさんは、お母さんが大きなストレスを受けていて、そのストレスを発散することができず、子どもに当たってしまう、という印象を受けた。
そのお母さんは、地域の子ども支援グループに関わりを持っているくらいだから、子育てに無関心ではないだろう。むしろ熱心かもしれない。
体罰が良くないとは知っているだろう。
それなのに殴るということは、それほどやり場のないストレスが、お母さんを蝕んでいるということだ。
そして6歳の子どもはこう言った。
「殴らせてあげるんだ」
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こんなに大きな、かぎりない愛を、子どもは親にそそいでいる。
自分を止められずに我が子を殴ってしまう親たち。
そんな自分を良いとは思っていないだろう。自己嫌悪でいっぱいかもしれない。苦しみの中で溺れているような感じかもしれない。
「誰か助けて!」という叫びで心の中はあふれているかもしれない。
あなたを、あなたの子どもが救おうとしているよ。
あなたが落ちている所へいっしょに落ちて、なおかつ引き上げようとしてくれているよ。
それほど深く愛されていることに、どうかあなたが気づきますように。