2013-04-09

平飼いの卵

ずっと前に、こだわりの養鶏農家さんから卵を頂いたことがある。
割ったら、黄身がレモン色だった。

普通スーパーマーケットで買う卵は、黄身がオレンジ色だ。


忘れた頃にテレビで、タレントさんが養鶏農家を訪ねた番組を観た。
鶏たちは野っ原というか、柵に囲まれてはいるが草ぼうぼうの空き地みたいな養鶏場を、所狭しと走りまわっていた。
昼を檻の中ですごしてはいなかった。

農家の人とタレントさんは、白いご飯の上に卵を割りおとした。
レモン色の黄身だった。タレントさんが思わず
「色が薄いですね」
と言った。
農家の人は答えて、
「うちの鶏は自然の草を食べるから。人工的な餌だと黄身が赤っぽくなるんです」
という意味のことを言った。


平飼いの養鶏農家さんと新たに知りあう機会があった。
その農家さんが育てている鶏の卵の黄身は、驚きのレモン色。クリーム色といいたいほど淡い色の卵もある。見慣れたオレンジ色の卵もある。
せっかくの機会だから色について尋ねた。
曰く、
「卵の黄身の色は何を食べたかによって違う。アメリカではコーンを餌にするのでレモン色。
うちの鶏には米を食べさせているが、自分で勝手に養鶏場に生えてる草を食べたり、ミネラル分を摂るために土を食うやつもいる。鶏は昆虫食で、たんぱく質を摂るために土をほじくり返して虫を食べる。個体によって食べているものが少しずつ違うので、卵の色も違ってくる。
しかし日本の消費者は、色の濃い、つまり赤みの強い卵ほど良い卵と思って、それを求める。だから皆さん餌に着色料を混ぜるんです。良心的な農家は、着色料といってもパプリカなどを使うんだけど・・・」


色についてはわかった。
オレンジ色だからといって不自然な卵とはかぎらない。
淡い色だからといって不健康な卵とはかぎらない。

この農家さんの卵を食べたら驚く。
生なのに! とろとろのはずの生なのに! 白身があまりにもプリップリで弾力があるので、かき混ぜてもなかなか混ざらない。
なんという生命力! と思ったことであった。
大地を走りまわる鶏たちの、元気さを分けて頂いているわけだ。